[ICT] Wi-Fi 6 / 802.11ax データレート 1.2 Gbps を有効にするには
802.11ax 環境は「個別設定せず」「RSSI 良好時」速度1.2 Gbps が出ます。
ネットワークアダプター (OS) 側で間違った設定すると、通信速度が悪くなるのでプロパティ名の意味が分からない方は【やみくも設定はしないでください】。
そこで、Intel(R) Wi-Fi 6 AX200 160MHz 安定動作&おススメ プロパティ値を参考公開します。
プロパティ名 | 値 |
40MHz チャネル幅非互換 | 無効 |
802.11a/b/g ワイヤレスモード | 6. デュアルバンド 802.11a/b/g |
802.11n/ac/ax ワイヤレスモード | 4. 802.11ax |
BG スキャンのグローバルブロック | 全くしない |
MIMO 省電力モード | 自動 SMPS |
U-APSD 対応 | 無効 |
Wake on Magic Packet | 有効 |
Wake on Pattern Match | 有効 |
WoWLAN の ARP オフロード | 有効 |
WoWLAN の GTK Rekey | 有効 |
WoWLAN の NS オフロード | 有効 |
WoWLAN のスリープ状態の解除 | 無効 |
スループット・ブースター | 有効 |
チャネル幅 (2.4GHz 用) | 自動 |
チャネル幅 (5GHz 用) | 自動 |
パケット結合 | 有効 |
ローミングの積極性 | 5. 最高 |
混在モード保護 | RTS/CTS 有効 |
送信パワー | 5. 最高 |
優先バンド | 3. 5 GHz バンドを優先 |
プロパティ名の意味は Intel 公式サイトに掲載があります。
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/articles/000005585/network-and-i-o/wireless.html
無線通信に携わる SE や NE 向けコメント①VoIP 環境下では【U-APSD 対応】を意識しましょう。
Cisco ワイヤレス LAN 設定では頻出しているプロパティ名なので、知らない方がおられれば「正しく知識を身に着けてください」。
不定期自動省電力配信 (Unscheduled automatic power save delivery) U-APSD (別称 WMM-Power Save または WMM-PS) とは、VoIP など定期的なレイテンシの影響が少ないトラフィック・モードにおいて、より効果的に消費電力を抑える Wi-Fi 機能で、WMM が有効化されると、U-APSD は自動的に有効化される。
Cisco ワイヤレス LAN コントローラ コンフィギュレーション ガイド、リリース 7.6 にも記載があるので参考に。
https://www.cisco.com/c/ja_jp/td/docs/wl/wllancntrller/5500wlcntrllers/cg/005/b_cg76/b_cg76_chapter_010000.html
Cisco CLI で確認するコマンドは次の通り。
“show wireless client mac-address client_macdetail”
Device(config)#show wireless client mac-address 2B:5B:B3:18:56:E9 detail Output Policy State : Unknown Output Policy Source : Unknown WMM Support : Enabled U-APSD Support : Enabled U-APSD value : 15 APSD ACs : BK(T/D), BE, VI(T/D), VO(T/D) Power Save : OFF Current Rate : -------------------------- BK : Background BE : Best Effort VI : Video VO : Voice. T: UAPSD Trigger Enabled D: UAPSD Delivery Enabled T/D : UAPSD Trigger and Delivery Enabled
Intel の認識は「一部のアクセスポイントに相互運用性 (IOT) の問題が見つかっており、RX スループットが低下する場合があります。」として【U-APSD 対応について標準では無効】としています。
無線通信に携わる SE や NE 向けコメント②WMM(Wifi MultiMedia) 状態を確認しましょう。
WMM は無線通信時のデータに、特定の通信にのみ優先順位を付ける機能 (無線QoS機能) のことで、VoIP や映像/音声などのストリーミング時などリアルタイム性が要求される通信において、他の通信からの影響を受けにくくすることができる。
即ち、①U-APSD を念頭に置くならば、②WMM もセットで考慮されるプロパティです。WMM に対する電力制御が U-APSD です。フレームバースト/EX機能を使用する設定を行った場合、WMM機能は同時に使用できないことも認識しておいてください。
この機能は一般的に 802.11n (Wi-Fi 4) で実装されているので最近の無線ネットワークアダプターや無線 AP (アクセスポイント)は対応しているものが殆どです。しかし、VoIP 等の通信設計で明示的に意図された環境以外では無効が鉄則です。
この記事を書いた背景
よくある話題です。「新しい無線環境を導入したのに、なんか調子悪い」という声が寄せられることが多い。
以上、ご覧いただき有難うございました。